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トンボの仲間は卵→幼虫→成虫になる不完全変態です。
卵→幼虫→さなぎ→成虫になるのが完全変態です。
更に不完全変態も2つの種類に分かれます。
トンボは幼虫と成虫が全く違った場所で育ち、姿も似ていない
半変態といいます。
カワゲラやカゲロウの仲間が半変態です。
対して、幼虫と成虫が同じような場所で育ち、姿が似ている種類を
小変態といいます。
水生のカメムシ目の仲間(アメンボ・タガメ・ミズカマキリなど)が小変態です。


トンボの顔
  
オニヤンマの顔


複眼は六角形をした数万個の個眼から出来ていて、上半分が遠くのものを見る働きがある遠視で、下半分が近くのものを見る働きがある近視になっており役割が違います。個眼の全てに画像が映り込み、その1つ1つが脳に送り込まれて1つの大きな画像になります。人間の眼の瞳が見ている方向に追っかけて動くように、トンボでも同じように動きます。複眼にある個眼の部分が通常の色から黒く変わります。上の写真では正面の私をみているので、前の方に黒い塊があります。もし横に映るものを見ている場合は、側面に黒い塊が動きます。
触覚は大きな働きをしないので、退化して短くなっています。
口は大あごと下唇からなり、鋭い歯があるのが特徴です。トンボ目の学名Odonataは「歯のついあたご」の意味です。




トンボの卵
卵の期間は種類によって違います。秋に産卵するトンボ(特にアカネ属)は寒い冬を卵で越冬し、暖かくなる春に羽化するので卵の期間が長くなります。
トンボの種類 卵の期間

マイコアカネ♀腹部先端に卵の塊

※水温や環境によって多少の誤差はあります
ウスバキトンボ 4〜5日
アオモンイトトンボ 6日
シオカラトンボ 約1週間
ギンヤンマ 12日
ムカシトンボ 約1ヶ月
普通のトンボ 約1ヶ月
オニヤンマ 35日
アキアカネ 127日
アオイトトンボ 230日




トンボの幼虫(ヤゴ)
   卵から孵るとエビに似た前幼虫になり、すぐに脱皮して幼虫になります。
   このときの小さなヤゴを1齢幼虫といいます。
   1齢幼虫が脱皮して一回り大きくなったものを2齢幼虫といいます。
   幼虫は9〜14回前後の脱皮(9〜14齢)を繰り返して大きくなります。
   (※水温や餌など環境によって1齢ぐらいの増減があります。)
   
   幼虫期間は短い種類で1ヶ月ぐらいで、長いものは7〜8年もかかる種類もいます。
   3〜10ヶ月(1世代1年)と10数ヶ月〈1世代2年)のものが多いです。
均翅亜目



体外にえらがある細長い体をしています

イトトンボ科・モノサシトンボ科・
アオイトトンボ科・ヤマイトトンボ科・
カワトンボ科・ミナミカワトンボ科・
ハナダカトンボ科
-
不均翅亜目



体内にえらがある太い体をしています

  
ムカシヤンマ科・サナエトンボ科・
オニヤンマ科・ヤンマ科・
エゾトンボ科・トンボ科
幼虫(ヤゴ)はボウフラ・イトミミズ・オタマジャクシ・メダカなどを食べますが、水辺にとまっているイトトンボを不均翅亜目の幼虫が食べる場合もあります。成虫のトンボでも大きなトンボが小さなトンボを食べることもあります。

写真:ヤゴがモノサシトンボを捕食中
ヤゴの生息場所

遊離型(登攀(とうはん)幼虫) 地面型(蹲踞(そんきょ)幼虫) 地下型(埋伏(まいふく)幼虫)
 
イトトンボ類やギンヤンマのように水中の植物や朽ちた木などにとまっている
 
シオカラトンボやアカトンボ類のように水底をはいまわっている
 
サナエトンボ科やオニヤンマ科のように砂泥の中に埋入している
ヤゴの生息期間

トンボの種類 ヤゴの期間

11月に公園の浅い池で採取
ウスバキトンボ 4週間
アカトンボの仲間 1ヵ月半
アオイトトンボ 6〜7週間
ギンヤンマ
(ヤゴで越冬する場合)
3〜4ヶ月
(8ヶ月)
ほとんどのトンボ 1年以内
オニヤンマ・ムカシヤンマ 4〜5年
ムカシトンボ 7〜8年






越冬スタイル

卵越冬 幼虫越冬 成虫越冬
アオイトトンボ属は水上の木やイネ科などの植物組織内。ルリボシヤンマ属は水面の苔、朽木、挺水植物の根など。アカネ属は水底や水際の湿土の中。 日本のトンボの約85%がヤゴで越冬します。 冬場は日当たりのよい、風雨のあたりにくい、しかもあまり乾燥しない場所で過ごします。頭を上にして垂直にぶら下がっています。3種とも飛翔可能な温度の限界が14℃前後です。
アオイトトンボ、オオアオイトトンボ
コバネアオイトトンボ、マダラヤンマ、
オオルリボシヤンマ、ルリボシヤンマ
アカネ属の全種
卵越冬、成虫越冬以外の全てのトンボ ホソミイトトンボ、 オツネントンボ、
ホソミオツネントンボ

日本では以上の3種類






直立型の羽化と倒垂型の羽化の違い
直立(立ち上がり)型の羽化 倒垂(ぶら下がり)型の羽化
ヒメクロサナエ羽化 トンボの羽化は種類によって型・時間・場所など違います。昼間でも羽化しているトンボがいるかもしれません。よく目を凝らしてみるとトンボの羽化の瞬間に出会えるかも。
水辺に近い所 定位の場所 水辺から離れた所
水平から垂直 定位の角度 垂直から仰向け
5〜10分 休止の時間 20〜30分
40〜90分 羽化にかかる時間 2〜4時間
イトトンボ科・モノサシトンボ科・
ヤマイトトンボ科・アオイトトンボ科・
ミナミカワトンボ科・ムカシヤンマ科・
サナエトンボ科
トンボの種類 カワトンボ科・ムカシトンボ科・
オニヤンマ科・ヤンマ科・
エゾトンボ科・トンボ科


ヤゴからトンボが羽化した跡は、背中が割れて白い糸状のものが出ています。眼は半透明の状態です。倒垂型の羽化は主に夜間に行われ、直立型の羽化は主に昼間行われます。ヤゴの羽化は必ずしも成功するとは限りません。羽化をする時に体や翅が曲がったりすると飛べない事が多いです。また、羽化をする時に他の昆虫や鳥に食べられる事もありトンボにとって羽化は命がけなのです。
                    
            マユタテアカネ羽化失敗
                      




トンボの交尾のスタイル
トンボの雄は水辺で縄張りをもっています。そこに雌がやってくるとペアーを作りタンデム(尾つながり)になります。タンデムは雄の尾部にある付属器で雌の頭部をつかんで合体して、交尾を行います。トンボの種類によってスタイルが異なり、均翅型と不均翅型があります。殆どのトンボは岩の上や木につかまって交尾をしますが、一部のトンボは飛びながら交尾を行うのもいます。
均翅型 不均翅型
均翅亜目とムカシトンボ亜目はタンデムになってから雄が精子を交接器へ移します。そのあと雌が生殖門を雄の交接器と合体して雄雌がハート状になり交尾を行います。 雌とタンデムになる前に、先に雄が単独で精子を交接器に移しておき、雌とタンデムになってから交尾をします。






トンボの産卵スタイル


水面付近の草の茎に
産卵するタイプ

写真:ギンヤンマ


水中に潜って草の茎などに
産卵するタイプ


写真:ハグロトンボ


水辺に突き出た樹木の枝に
産卵するタイプ

写真:オオアオイトトンボ


雄と雌が連結して
産卵するタイプ

写真:モノサシトンボ
 


雄が近くで見守り雌が水面に
腹部をたたきつけて
産卵するタイプ

写真:シオカラトンボ


雄と雌がタンデムの形で
水面に腹部の先をつけて
産卵するタイプ


写真:ネキトンボ


単独で水底の泥の中に
産卵するタイプ

写真:オニヤンマ


空中から卵をばらまいて
産卵するタイプ


写真:ナツアカネ

産卵スタイル名 産卵スタイル説明 主な種類
接蝕産卵 (腹端と産卵対象物が接触する産卵) 植物組織内産卵 植物の葉や枝の中に産卵する方法  イトトンボ科、モノサシトンボ科、
 アオイトトンボ科、ヤマイトトンボ科、
 カワトンボ科、ミナミカワトンボ科、
 ハナダカトンボ科、ムカシトンボ、
 ヤンマ類
- 潜水産卵 水中に潜って植物内に産卵する方法で、一般的なトンボは深さ10〜20cm、15分内外。ミヤマカワトンボは深さ1m、49分の記録もあります。  ミヤマカワトンボ、クロイトトンボ、
 エゾイトトンボ、グンバイトンボ、
 アオイトトンボ、アジアイトトンボ、
 オオアオイトトンボ、ムスジイトトンボ、
 ハグロトンボ
接泥静止産卵 静止して泥や苔に産卵する方法  ムカシヤンマ、サラサヤンマ、
 コシボソヤンマ、ネアカヨシヤンマ、
 カトリヤンマ、ヤブヤンマ、ギンヤンマ、
 オオルリボシヤンマ
接水静止産卵 岸に静止して腹部先端を水につけて産卵する方法  ヒメクロサナエ
接泥飛翔産卵 飛びながら泥や砂に産卵管を接触させてその中に産卵する方法  オニヤンマ、キイロサナエ
打泥産卵 水深の非常に浅い水面、水でドロドロになった軟泥土上に産卵する方法  アカネ類
打水産卵 連続打水産卵 飛翔しながら腹端で水面を連続して叩いて水中に産卵する方法  サナエトンボ科、ミナミヤンマ亜科、
 エゾトンボ科、ヤマトンボ科、トンボ科
間歇打水産卵 飛翔しながら腹端で水面を叩いて水中に産卵する方法で、1回打水産卵すると少し移動したり休んだりして間を空けて行います  オオヤマトンボ、コヤマトンボ、
 ウスバキトンボ、ハネビロトンボ
単一打水産卵 飛翔しながら腹端で水面を叩いて水中に産卵する方法で、これを1回しか行いません  トラフトンボ、オオトラフトンボ
遊離産卵 (上空から産卵) 空中産卵 停止飛翔産卵 腹部を水平に保って空中に停止飛翔しながら卵を産み落とす方法  オナガサナエ、クロサナエ、
 ダビドサナエ
打空産卵 打水産卵と同じように腹部を上下させて空中で産卵する方法  アカネ属
- 遊離性静止産卵 水辺の樹木の葉などに止まって、卵を落下させる方法  モイワサナエ、ヒラサナエ
 産卵に関しては同じトンボでも数種類の産卵スタイルを使うものもいます。
 特にアカネ属のトンボは、打泥産卵・打水産卵・打空産卵のうち2〜3種類産卵方法を使いこなします。

 例:アキアカネ、ミヤマアカネ、ヒメアカネ、マユタテアカネ、コノシメトンボ、キトンボ ⇒ 打泥産卵+打水産卵

  エゾアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、ナニワトンボ ⇒ 打水産卵+打空産卵
  ムツアカネ ⇒ 打泥産卵+打水産卵+打空産卵






トンボの止まり方
斜め型



トンボ科

写真:コシアキトンボ
ぶら下がり型



ムカシトンボ科・オニヤンマ科・
ヤンマ科・エゾトンボ科

写真:マルタンヤンマ
うつぶせ型



ムカシヤンマ・サナエトンボ科・
トンボ科


写真:ヤマサナエ
枝先つかみ型



コフキトンボ・アカネ属

写真:ナツアカネ
翅を閉じて止まる仲間



均翅亜目

写真:アオハダトンボ
翅を開いて止まる仲間



ムカシトンボ・不均翅亜目・
アオイトトンボ科・ヤマイトトンボ科

写真:アオイトトンボ






トンボの飛翔
トンボの羽ばたき数は毎秒20〜30回程度です。イエカ(蚊)で毎秒約300回ミツバチで毎秒約200回モンシロチョウは毎秒約10回なので昆虫の中では羽ばたき回数が少ない方になります。しかし、1秒間に移動できる距離では、毎秒5〜10mと速い方になります。なぜかというと、普通の昆虫は翅に直接筋肉がついていないのですが、トンボの場合はそれぞれの翅に筋肉が直接ついていて、前翅と後翅を別々に動かすことが出来るので効率よく速く飛ぶ事が出来るのです!更にトンボの翅には驚きの機能が備わっています。トンボの翅の先端付近についている縁紋(識別のトンボの体の仕組みを参照下さい)はただの飾りではなく、飛翔中に不規則な振動を調節する大切な役割があります。飛行機が飛んでいる時に翼に発生する有害な振動をフラッターといいます。飛行機にはフラッターで翼が壊れないようにフラッター防止装置がついていて、飛行機と同じ役割をするのが縁紋という訳です。更に飛行機のフラッター防止装置とトンボの縁紋は同じ位置にあるそうです!






トンボ豆知識 Q&A
Q:トンボが腹部を上げて止まっているのはなぜ?

A:3種類の異なる目的があります。
@成熟した雄が雌に対する求愛誇示。
A成熟した雄が他の雄に対する威嚇誇示。
B雄雌、成熟、未成熟関係なく腹部を垂直に上げる場合は、強い日差しで体温の上昇を防ぐ為に行います。
Q:トンボが水面に落ちて水浴びするのはなぜ?

A:4種類の異なる目的があります。
@水を飲む為   A体温を下げる為   B体についた汚れなどを落とす為   C虫などの食べ物を摂る時
Q:ギンヤンマやクロスジギンヤンマの雌が腹部を下に曲げて飛ぶのはなぜ?

A:これは交尾拒否飛翔といい、雌が交尾を拒否する場合に行います。ちなみにギンヤンマやクロスジギンヤンマの雌は産卵中に他の雄が近づくと翅を閉じて交尾を拒否することがあります。通常は翅を開いて産卵を行います。 
Q:1頭の雄が最高で何回交尾するのか?

A:最高記録は、ヤコブスがPerithemis teneraの雄にマーキングして観察し、6日間で127回交尾をしたそうです。 勿論、相手は複数の雌だったそうです。
Q:越冬しているトンボは冬場はどうしているか?

A:日本でトンボ(成虫)で越冬するのは3種類です。ホソミオツネントンボ、オツネントンボ、ホソミイトトンボです。冬場は日当たりのよい、風雨のあたりにくい、しかもあまり乾燥しない場所で過ごしています。頭を上にして垂直にぶら下がっているそうです。3種とも飛翔可能な温度の限界が14℃前後です。
Q:トンボは世界中で何種類いるのか?

A:全世界で約6,000種類ですが、アマゾンなどではまだ発見されていないトンボもいると思われるので増えるでしょう!日本では219種類のトンボが確認されています。






トンボの切手
ベッコウチョウトンボ
(オキナワチョウトンボ)
ミヤマアカネ ミヤマカワトンボ オニヤンマ

中級者による切手分類 に国内外のトンボの切手が紹介されています。

生物→動物→昆虫編→トンボ目→トンボで進んでいくとご覧頂けます。







   レッドリスト (環境省が指定した全国版の絶滅危惧種)     2012年8月現在
  ※2007年度版ではCR+ENと一括されていたが、2012年度版ではCRとENが区別されました
CR : 絶滅危惧lA類・・・危機的絶滅寸前のもの
アカメイトトンボ、オガサワラアオイトトンボ、オガサワラトンボ、ベッコウトンボ、ミヤジマトンボ
EN : 絶滅危惧lB類・・・絶滅寸前のもの 
オオセスジイトトンボ、ヒヌマイトトンボ、オオモノサシトンボ、コバネアオイトトンボ、ハナダカトンボ、トビイロヤンマ、ハネナガチョウトンボ、エゾアカネ、マダラナニワトンボ、オオキトンボ
VU : 絶滅危惧U類・・・危急のもの
オガサワライトトンボ、カラフトイトトンボ、アオナガイトトンボ、オオサカサナエ、ナゴヤサナエ、メガネサナエ、アサトカラスヤンマ、オキナワミナミヤンマ、ミナミトンボ、サキシマヤマトンボ、ハネビロエゾトンボ、シマアカネ、ナニワトンボ
NT : 準絶滅危惧・・・生息条件の変化によって絶滅危惧として上位ランクに移行する要素をもっているもの
ヒメイトトンボ、ベニイトトンボ、キバライトトンボ、モートンイトトンボ、グンバイトンボ、アオハダトンボ、アマミサナエ、オキナワサナエ、キイロサナエ、ヤエヤマサナエ、タベサナエ、フタスジサナエ、オグマサナエ、イリオモテミナミヤンマ、イイジマルリボシヤンマ、マダラヤンマ、ネアカヨシヤンマ、アオヤンマ、イシガキヤンマ、アマミヤンマ、オキナワサラサヤンマ、キイロヤマトンボ、オキナワコヤマトンボ、ヒナヤマトンボ、ベニヒメトンボ、エゾカオジロトンボ、タイワンシオヤトンボ
LP : 絶滅のおそれがある地域個体群
房総半島のシロバネカワトンボを含むアサヒナカワトンボ
※リストから外された種は、ヒロシマサナエ、カラカネイトトンボです。新産地が発見された為、リストから外されました。
※レッドデータリスト種は各都道府県でも設けられています。上記のリストに入っていなくても、住んでいる都道府県では上位にランク付けされている場合もあります。各都道府県のリストもインターネットで公開されているので検索してみましょう!
    日本のレッドデータ
トンボと共存する環境を守ろう!

トンボは移住性がないものが多いので、生まれた環境で育ち、繁殖します。その環境が日照りで水辺がひやがったり、水質の悪化、埋め立てによる消失でトンボは消滅していきます。国内のトンボも絶滅に近づいている種類が多々あります。採取禁止のトンボもいますのでルールを守って観察しましょう!

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